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フランス北東部のアルザス地方は、ドイツとの国境を流れるライン河とロレーヌ地方を隔てるヴォージュ山脈に挟まれている。わたしはまだ行ったことがないのだが、決して広いとは言えないこの地方には、豊かで美しい自然と文化と、滅法旨い郷土料理があるらしい。シラク大統領が就任早々ドイツのコール首相と会食したのが、アルザスはストラスブールのレストラン〈シェ・イヴォンヌ>。彼の地が選ばれた理由はもちろん政治的な意味が大きい。ドイツとフランスの領地争いで翻弄された歴史を鑑みれば、新しい、そして強固な関係を両国間に結ぶ約束の地として、これ以上ふさわしい所はないからだ。だがフランスは美食外交をもって今日の力を築いている。その側面からもアルザスは重要だったのだろう。
「アルザスはガストロノミーの土地ですよ。例えば川鱒はリースリングで蒸し焼きにしたり、ザリガニならシルヴァーナーで香味野菜とともにゆでる。シュークルトを煮込むのもアルザス産の白ワイン。ベックオフという料理はアルザス風肉の蒸し煮で、白ワイン、もちろんアルザス産のね、それで牛、豚、羊などを一晩香味野菜と一緒にマリネしておく。翌日には4時間ほど白ワインでさらに煮込む。地元の素晴らしいワインと食材を使った料理は枚挙に遑がありません。
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